2 しょうゆちゃん
星に興味を持ったのは中学2年のときで、同じクラスにしょうゆちゃんというあだなの天文少年がいたことがきっかけでした。ある日の休み時間にしょうゆちゃんが「流れ星は1日に何個も見るころが出来る」と言いました。これは、「流れ星は一生に一度見えるか見えないかのしろもの」と思いこんでいた私にとっては衝撃的なことだったのです。
その日以来凝り性の私は図書館の天文書をすべて1ヶ月で読みきり、休み時間ごとにしょうゆちゃんを捕まえて質問を繰り返すことになったのです。しょうゆちゃんにとっては迷惑この上ないことだったと思いますがおかげで私の天文知識は急速に増えて天文少年化していったのです。
今でも覚えていますが最初の天体観測はとても寒い真冬の夜でした。ありったけの服を着込み、だるまさんのような格好をして天文書の後ろについている星座図をたよりに冬の星座をたどりました。それまで星座なんて星を無理やり結んだこじつけ位にしか考えていませんでしたが、オリオン座を中心にふたご座・おうし座…….とたどっていくとなるほど良く付けたもんだと思うほど星座ってうまく作られており、星座を一つ一つ覚えるたびとても楽しくなったのを覚えています。
その後バイトをして望遠鏡を購入・写真部に入り天体写真にはまる・天文機材のグレードアッップ・パソコンによる画像処理と途中お休みの時期もありましたがずっと星とはかかわってきました。でも夢中で星座をたどっていたころが私の星の原点だなぁってこのごろ思います。やはり体験が大事。
よく「天文を始めたいのですけどどんな望遠鏡を買ったらよいのですか」という質問を受けますがはじめに機材ありきではなく星座をおぼえたりして夜空を見上げる体験をしてからのほうが、楽しみも増えるし望遠鏡も大切に使うようになると思います。インターネットで何でも知って見られる時代だからこそますます体験が重要になってくると思います。しょうゆちゃんは元気でいるかなぁ。星とかかわったおかげで多くの人と出会い楽しい思いをさせてもらい感謝しています。