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星空散歩web updated 2016-10-08

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オーストラリアの星空

サイディングスプリング天文台

クーナバラブランでの初日は睡眠もそこそこに朝10時よりサイディングスプリング天文台の見学から始まりました。この天文台はオーストラリアの唯一国立大学の所有で、クーナバラブランの中心から1時間ぐらいの標高1000mに位置する天文台です。主砲は3.9m望遠鏡で架台は三菱電機製、暗い天体用で、月2.3回しか使わないそうです。

天文台の中はエジンバラ大学のケンラッセルさんが案内してくれたのですが、なんとこの方は昨日の夜、新彗星を発見したとのことで、過去にも12個彗星を見つけている有名な方だそうです。その写真乾板を見せていただきましたが、素人が見てもはっきり尾が写った彗星と分かりました。(この彗星はあとで天文ガイドで確認したところラッセル・ワトソン彗星と名付けられたそうです。)

夜ここで星がみれなかったのは残念でしたが、真っ青な空からしてかなりいい星空が見られそうです。ここの晴天率はかなり高いそうですが、僕らが来る前の週は1週間雨が降っていたとラッセルさんに聞き、もし先週来ていたら....。と思うとぞっとしました。それと、ここの入口にはスタッフの写真が飾ってあるのですがその中にカンガルーと猫がいるのには笑えました。
s-FH040004ss.jpg大小マゼラン雲

FH040022ss.jpg黄道光

黄道光

さて、目的の天体観測は3晩予定されており、いずれもクーナバラブランの空港を借りて行いました。早めの夕食をとった後18時過ぎに空港に着き望遠鏡のセッティングなどを行いますが、19時半頃最終の飛行機が降りてくる為、その時だけ滑走路の明かりがつき観測が中断します。しかしその後は朝5時の飛行機が出発するまでは貸し切り状態で、待合い室も借りられるため休憩や簡単な食事もできて快適な観測場所になります。時間は朝までやっていてもokですが、1時頃バスがホテルに帰る為に(10分ぐらいで着きます)その時帰ることもできます。

8月はこちらでは真冬にあたります。その為に日本の真冬の装備を持ってきました。中綿入りの長靴、上下羽毛の下着、ゴアテックスのダウンジャケット、一応寝袋も、と万全の準備で行きましたが、思ったより寒くはなく、朝方まで楽に観測できました。又日本と違い空気が乾燥しているので、レンズに露がつかず助かりました。日本で天体写真を撮るときはレンズが曇らないようにカイロをレンズに当てて撮影するのです。

望遠鏡を組み立てていると日がすっかり落ちて星空が見えだしてきました。しかし西の方がいやに明るいのが目立ちます。オーストラリアに来てまで光害?街の明かりがあんなところにあるはずないし....と思っていると「あれは黄道光だよ」との声が。なるほどー、あれが黄道光なんだ。太陽付近にむらがる宇宙のチリの群が太陽光をうけてぼーと輝くのが黄道光で、夜明け前の東の空か日没後の西の空に見られるのですが、日本では空が明るくなり見るのが難しくなっている現象です。天文書では知っていましたが、実際に見るのはこれが初めてでした。

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