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星空散歩web updated 2016-10-08

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オーストラリアの星空

出発

96・8・12  予定を少し遅れて6時50分に中浦和を車で出発し、7時30分ごろ首都高に入りましたがいきなりの渋滞です。このあたりはよく渋滞するからと、たかをくくっていましたが、渋滞表示がさらに湾岸までとわかるとしだいに気持ちが焦ってきました。そういえば海水浴シーズンで千葉方面は渋滞しているんだ。間にあわないかもしれない......。というあせりだんだん強くなってきて、最悪どこかの駅に車を乗り捨てて電車でいこうとか、いろいろ思い巡っていました。しかし湾岸に入り渋滞は僕らが行く成田の方角ではなく、九十九里の方と分かるとすーっと気持ちが落ち着きました。結局集合時間に30分遅れで到着し、ことなきを得ました。

カウンターではすでにみなさんが集まって説明を聞いている途中でしたが、荷物を見てびっくり。僕たちは特大のトランク2個とザック、カメラバックで一番重いと思っていましたが、それをはるかに上回る人たちばかりで、さすが天文ツアーと実感しました。空港で入国審査を終えて、晴れてオーストラにいけることに感謝、感謝の気持ちでいっぱいでした。 

8・12 21:00 シドニー空港に到着すると現地でお世話になる佐藤さんが出迎えてくれました。なんとなく千葉進一ににている佐藤さんに案内されて、40人乗りのバスに12人で乗り込み、500KM先のクーナバラブラン村へ出発しました。 

佐藤さんのガイドによるとシドニーもここ10年で空がだいぶ悪くなっているそうで、10年前なら市内でも日本の戦後の空ぐらい星が見えたらしいのです。といってもシドニの中心街から車で15分程はなれた佐藤さんの自宅でも天の川が見えるというのですから東京から比べれば格段に恵まれています。この日の天気は快晴で、10分程たつと窓越しに星が見え始め、郊外に進む程、星の数が増えだして、しだいに天の川も見えてきました。

s-FH040008sss.jpgいて、さそり座の天の川
みんな10時間近く狭い飛行機に乗り、疲れているにもかわらず、星が見えるとおのおの星図や双眼鏡を出し始め、ほとんどの人がはじめて見ると言う南天の星空をバスの窓越しに眺めていました。 知識ではわかっていたのですが、頭の中の回路は日本の星空がインプットされているためか、目立つ南十時星以外はどれが何座かしばらくの間さっぱりわかりません。こちらでしか見えない星座はともかく、日本で見えている星座もひっくりかえって見えるため星座がつながらないのです。

蠍座などは日本では南の空の低い位置にあるものが、天頂でしかも逆さに見えているので、ひとりで納得できない、納得できないとつぶやいており、慣れるのに一日かかりました。2時ごろ、シドニーからの光を遮ってくれるという、ブルーマウンテンと言う標高1000M位の山を越えたあたりで星見のための休憩にはいりました。

車をおりるとそれこそ降るような星空が見え、いきなり東の空に浮かぶ大、小マゼラン雲が目にはいりました。大きいとは知っていましたがこんなにはっきり肉眼で見えるとは......。加えて天の川は暗黒帯まではっきり見え、球状星団M104などは小さな双眼鏡でも周辺が分解して見えるなど、南半球の星空のスケールの大きさに驚きました。結局シドニーを21時に出発したバスは目的地のクーナバラブラン村に朝6時に到着し、10時からの天文台見学までの間ホテルでひと休みしました
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s-FH040027ss.jpg南十字付近の天の川

クーナバラブラン

天体観測の目的地であるクーナバラブラン村はシドニーから約500km離れた場所にあり、関東平野と同じぐらいの面積に人口3000人しか住んでいないのです。したがって土地はたくさんあるわけで、ここで出会ったおじさんは自分の土地のはしからはしまで1時間以上かかると話していました。だいたい東京23区ぐらいの大きさになるそうです。他にも東京ドーム2、3個分の土地に家がついて3000万円位で買えるとか言う話もあって、とにかく日本とスケールが違うのです。

こんな話もありました。10年前ハレー彗星観測に来たとき、中華料理屋で売り上げがなくなり警官を呼んだそうですが、その警官は窃盗を担当するのが初めてで、どうしてよいかわからずうろたえていたそうです。当時は家や車の鍵をかける人はほとんどいなかったらしく、最近はさすがに鍵はかけるそうですが、平和な町のようです。

この村で一番多い動物はカンガルーで、あちこちに見られます。日本でRV車についているカンガルーバンパーがセダンやバスにもついていて、案内してくれた佐藤さんも3回ほどカンガルーが車にぶつかった経験があり、かなりの衝撃だったとのこと。日本ではただのお飾りですがこちらでは必需品のようです。

そんな田舎町ですが、買い物をする店はけっこうあり、カメラのボタン電池も売っていました。期待していなかったホテルもその後泊まったシドニーのホテルニッコーよりいい部屋でしたし、もちろん目的の星空はばっちりでした。


s-FH040007ss.jpg星の光跡

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